曲目:
バチェヴィチ:
4つのヴァイオリンのための四重奏曲
ラヴェル(及川悠介編曲):
「クープランの墓」よりプレリュード、メヌエット、トッカータ
ラハナー:
ヴァイオリン四重奏曲
テレマン:
4つのヴァイオリンのための協奏曲ニ長調作品40:202
世界にも類を見ない常設のヴァイオリン四重奏団が京都で演奏会を開催する。
「Violin Quartette TAKEYUMI」は2016年に結成され、今年9年目を迎える。東京芸大附属高校62期ヴァイオリン専攻の男子4人で活動をしている。これまでに東京・埼玉・神奈川・京都・岐阜・滋賀などで演奏を行ってきた。モーツァルト国際室内楽コンクールで特別賞を受賞している。
極めてレパートリーが限られる編成でありオリジナル作品ではテレマン、バツェヴィチ、ダンクラ、ドントの諸作品が知られるくらいである。よってメンバーの及川を中心に編曲活動も盛んだ。グリーグの「ホルベルク組曲」、ラヴェルの「クープランの墓」、ビゼーの「カルメン 」など。原曲を尊重しつつ意外な和声展開やヴァイオリンならではの演奏技巧を駆使した編曲として、作曲家をはじめとして多方面から激賞される。
ヴァイオリン4本が集まる難しさは主に2つある。一つは音程のシビアさ。バスとなる低音部が欠けることで、美しくバランスの取れた和声を作ることが弦楽四重奏と比べて格段に難しい。もう一つは重みを感じづらいこと。前述の通り低音不在のため、どうしても軽い音楽に聞こえてしまう。
しかしTAKEYUMIは結成9年という熟成の期間を経て、これらの欠点を克服してきた。それどころか丁々発止のアンサンブルを演奏者本人たちが楽しめる域にまで成長したと言って過言ではないだろう。何か問題が起きても臨機応変に対応する力、会場の空気感や雰囲気を読み間を調整する力などは、同じメンバーで長期間活動してきたゆえに培われたものだ。
今回のプログラムはバロックのテレマン、端正なラハナーに、ロマン派の隠れた名作曲家ローリヒ、この編成の代表曲バツェヴィチ、編曲ものの「ヘンゼルとグレーテル」、「クープランの墓」と盛りだくさんの構成だ。必ずやヴァイオリン四重奏の虜になるに違いない。ぜひ会場に天上の響きを確かめにきてほしい。
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