曲目:
ベルク:
ピアノソナタ Op.1
ピアノ: 原 由莉子
ヴェーベルン:
ピアノのための変奏曲 Op.27
ピアノ: 原 由莉子
シェーンベルク:
浄夜 Op.4 ピアノ三重奏版
ピアノ: 原 由莉子
ヴァイオリン: 渡辺 紗蘭
チェロ: 北垣 彩
「原 由莉子ウィーン世紀末シリーズ」は、19 世紀末のウィーンの文化・芸術に焦点を当てたレクチャーコンサートです。
絵画・建築・文学など、音楽ジャンル以外の芸術家と、作曲家の交流がきっかけとなって生まれた作品を取り上げること。
芸術作品は決して単体で存在するわけではなく、人と人の関わりあいや、その人を取り巻く環境など、さまざまな要素が絡み合って誕生しています。その事実を認識して作品を鑑賞することで、ともするとつい忘れがちな「作品は『人間』が生み出したものである」ということを改めて実感し、表現者のハートをより感じることができる気がするのです。芸術家同士が互いにインスピレーションを与え合い芸術が芸術を呼ぶ―そんな作品を紹介したいと考えています。
第8回目となる今回のテーマはシェーンベルクです。
メイン曲は、『浄夜』のピアノ三重奏曲編曲版。
詩人リヒャルト・デーメルの『浄められた夜』。作曲家シェーンベルクはこの詩の内容を表象した標題音楽作品として、弦楽六重奏曲『浄夜』を書きました。
生々しいほどに官能的で退廃的な響きは楽壇で大きなスキャンダルを呼び、シェーンベルクは相当な批判を浴びます。しかし、人間が誰しも持つ純粋な感情や欲望、葛藤を、ありのまま作品にぶつけるという、世紀末ウィーン芸術の象徴のようなこの楽曲には、それまでに存在していた、いわゆるクラシック音楽と呼ばれるものから一線を画した、特別でこの上ないエネルギーが込められています。
また、のちにシェーンベルクが確立することになる「無調音楽」のエッセンスも見られ、伝統と前衛が溶け合う、音楽史的な意味においても重要な価値のある作品といえるでしょう。
日本音楽コンクール第一位、ドラマ「さよならマエストロ」で芦田愛菜さんの演奏音源を担当された、新進気鋭の才能溢れるヴァイオリスト、渡辺紗蘭さんと
東京藝術大学大学院とドイツで研鑽を積み、現在は日本全国で演奏活動を展開するチェリスト、北垣 彩さんとともに
世紀末ウィーンの薫り漂う演奏をお届けします!!!
前半は、ピアノソロ曲を。
ロマン派からいかにして十二音技法や無調の世界へ移り変わっていったのか……鑑賞という実体験を通して、肌で感じていただけると嬉しいです。
アルバン・ベルクのピアノ・ソナタのCDを検索 | |
ヴェーベルンのピアノのための変奏曲のCDを検索 | |
シェーンベルクの「浄夜」のCDを検索 |