オール・コールリッジ=テイラー 室内楽作品演奏会


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これは既に終了した演奏会です。
日時: 2025年1月7日(火)
会場:
中目黒GTプラザホール

曲目:
サミュエル・コールリッジ=テイラー:
 《24の黒人旋律集》より 第8曲 西インド諸島:バンブーラ
サミュエル・コールリッジ=テイラー:
 ピアノ五重奏曲 作品1 日本初演
サミュエル・コールリッジ=テイラー:
 九重奏曲 作品2 “パルナッスムの梯子(はしご)” 日本初演
サミュエル・コールリッジ=テイラー(編曲:佐藤圭):
 《アフリカ組曲 作品35》より 第4曲:黒人の踊り 世界初演
サミュエル・コールリッジ=テイラー:
 《オセロ 作品79》より 第4曲:柳の歌 世界初演


【イギリス音楽に於いて、取り返しのつかぬ喪失】
サミュエル・コールリッジ=テイラー
ー1912年、無情な夏に散った悲劇の音楽家。
(1912年9月2日、テイラーの死を報じたくThe Bystander)掲載の見出しより。)

 知れば知るほど、とのコールリッジ=テイラーという人物が、当時いかに評価された人物であったのかを痛感させられる。
 シエラレオネ人の父、イギリス人の母のもと19世紀イギリスに生まれた彼は、黒人差別も厳しい当時の情勢の中で、輝かしい才能を武器にイギリス音楽界で確固たる地位を築いてゆく。しかし、ある時期を境に自身の“混血黒人としてのルーヅ”を探すかのようにアフリカやアフリカン・アメリカンの旋律を収集し始め、多くの作品を後世に残した。
 作曲家自身がまだ10代のうちに書き上げた、生命力に溢れるピアノ五重奏曲 作品1と九重奏曲 作品2。次に、アフリカの音楽への関心や彼の内なる自我のめざめを想起させる《アフリカ組曲作品35》より第4曲:黒人の踊り。そして、これまで様々な音楽家によって取り上げられた名題材であるシェイクスピアの戯曲《オセロ》を元に書かれた《オセロ 作品79》より、第4曲:柳の歌。
 出演者自身が原典を辿って浄書や探究を行い、本演奏会のために書き下ろされた初演編曲2曲には様々な想いを込めて、日本ではまだ耳にすることのないとの音楽家を味わえる唯一無二のプログラムを構成した。
 色彩豊かな和声に息づく鼓動……。私は彼の作品に出会ってすぐさま、その純朴であたたかな音色が作り出す世界に心奪われた。彼に出会ったその日から今まで、私の心の奥には『この素晴らしい音を浴びるように奏でたい』という想いが眠り続けてきた。 “コロナ世代”と揶揄される私たちは、あまりにも『踏み出さずじっと耐える』ことに慣れすぎてしまったのではないかと感じる。コールリッジ=テイラーの豊かな音楽を辿る私たちも、今こそ、彼のように“音楽の梯子(はしご)”を駆け上ってゆきたい!
(本演奏会プロモーター 佐藤朱夏美)

【出演者】
フルート:伊藤 玲央
クラリネット:澤田 璃咲
ファゴット・プロモーター:佐藤 朱夏美
ホルン:渡邊 昂太
ヴァイオリン:遠井 彩花 津田 篤志 杉山 亮佑
ヴィオラ:伊佐 泰一 渡辺 りん
チェロ:小粥 麻莉菜 ?田 真莉愛
コントラバス:大友 響稀
ピアノ:松盛 敬 大西 愛華
ピアノ・ナビゲーター:新原 有紀子
編曲・指揮(編曲初演作品):佐藤 圭
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