アンサンブル・メゾン 第28回演奏会
これは既に終了した演奏会です。日時: 2012年3月25日(日)
会場:横浜みなとみらいホール 小ホール
曲目:
シューベルト: 交響曲第7番ロ短調 D759「未完成」
武満徹: 弦楽オーケストラのための「3つの映画音楽」
ショスタコーヴィチ: 交響曲第9番 変ホ長調 作品70
寺本義明
~ 影と光の交錯のなかから ~ ソ連社会主義という特異な時代を生きたショスタコーヴィチが第二次世界大戦終戦直後の1945年8月に書き上げた交響曲第9番。ヴォルコフによる『ショスタコーヴィチの証言』によってこの交響曲には「スターリンへのあてつけ」というイメージがつきまとうが、それだけではあるまい。作曲中に接した広島の原爆投下のニュースに、彼は何を感じたのだろうか。軽妙洒脱な響きの音楽の美しさ、躍動する舞曲、ベートーヴェンの第9のモティーフを用いた悲しみの吐露、そして最後には異様なまでに高揚する喜びなどが混然と同居し、聴き手にさまざまなことを考えさせる作品である。 「未完成」としてあまりに有名なシューベルトの交響曲第7番ロ短調。この作品の作曲中に彼は絶望的な病を発症し、その病は6年後に彼の命を奪うことになるのだが、彼はそれを苦難と感じていたのだろうか?この交響曲は、「魔王」や「馭者クロノス」で向き合ってきた「生と死」というテーマを「死と乙女」や「冬の旅」といった作品でより深化させるきっかけとなっただけではなく、古典派からロマン派への橋渡しを果たした、音楽史の中で燦然と輝く作品でもある。 これら、ふたつの名作シンフォニーの間には武満徹の作品をお届けする。彼が書いた数多くの映画音楽から3つを選んで構成した作品だが、力まない表現でこそ伝わるもの、の好例がここにある。この作品の2曲目は「黒い雨」。井伏鱒二が原爆の広島を描いた同名小説の映画化のための音楽である。 *** みなさまのご来場、お待ち申し上げております。
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