チケットスペース 菊池洋子 ピアノ・リサイタル J.S.バッハ　ゴルトベルク変奏曲

曲目：
J.S.バッハ：
　ゴルトベルク変奏曲 BWV 988
　　ピアノ： 菊池洋子

菊池洋子さんによる「ゴルトベルク変奏曲」である。多種多様なファクターが内包されている傑作であり、ゆえに諸々のエピソードが語られる。そのひとつが技巧的な困難さであり、それは二段鍵盤チェンバロのために作曲されたことにも由来する上、装飾変奏ではなく性格変奏ということもハードルを上げさせる。そのすべてを把握、理解し、深い共感を持って対峙しなければこの作品の本質を捉えることはできないが、それを明白に示してくれるのが菊池さんなのである。
　菊池さんの持つ透明度が高く研ぎ澄まされた美音は、チェンバロのレジストレーションを意識したのであろう、絶妙な色彩変化と生命力溢れる芳醇なフレージングで見事な音像を築き上げる。なにより時代遅れと言われながら、それでもJ.S.バッハが生涯拘り続けた格調高いポリフォニーの美を、菊池さんは鮮やかに表出してくれるのだ。
　「ゴルトベルク変奏曲」における、新たな伝説の幕開けである。
音楽評論　真嶋雄大

詳細はHP（ https://www.ints.co.jp/yokokikuchi-0804p.html ）をご確認ください。

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