新交響楽団 第254回演奏会
これは既に終了した演奏会です。日時: 2021年7月4日(日)
会場:
東京芸術劇場コンサートホール
曲目:
ブラームス:
大学祝典序曲
ブラームス:
ハイドンの主題による変奏曲
ブラームス:
交響曲第2番
山下一史
【ブラームスは好きですか?】
今回の演奏会はオール・ブラームス。ブラームスはドイツの大作曲家で北ドイツのハンブルクで生まれ、ウィーンで生涯を終えた。ハンブルクの冬は寒く長く曇りが多く、人々は勤勉で真面目。そのような土地柄を反映してか、ブラームスの音楽は深くそして心にしみる。
映画にもなった「ブラームスはお好き」というサガンの小説があるが、最近では「ブラームスが好きですか」という韓流ドラマがあり、これは親友であるシューマンの妻クララを慕っていたブラームスにかけた物語らしい。生涯独身のブラームスだが、恋多き人生でもあった。
自分に厳しく完璧主義で納得のいかない作品は残さなかった。幼少期よりピアニストとして活動していたブラームスにはピアノ曲や室内楽曲は比較的数が多いが、管弦楽作品は少なく、4つの交響曲といくつかの協奏曲と管弦楽曲のみで、どの曲もオーケストラの主要レパートリーとなっており、ブラームスが大好きな演奏家は多いだろう。
【ブラームスの田園交響曲】
交響曲第2番は、ベートーヴェンを意識して20年費やした交響曲第1番が完成した後、ふっきれたように4か月で書き上げられた。南オーストリアのヴェルター湖畔にあるペルチャッハという避暑地で作曲され、重厚で劇的な第1番とは対照的にのびやかで明るく、ブラームスの田園交響曲とも呼ばれる。自然を愛するブラームスは美しい風景を気に入り、翌夏には同所でヴァイオリン協奏曲も書いている。
これらの名曲を生み出し名声が高まったブラームスに、ドイツ(現ポーランド)のブレスラウ大学から名誉博士号が贈られた。その返礼として作曲されたのが「大学祝典序曲」で、儀式の音楽ではなく4つの学生歌が引用された楽しい演奏会用序曲。ラジオの大学受験講座のテーマ曲に使用されていたので聴いたことのある方も多いだろう。
どうぞお楽しみに!
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