新交響楽団 第255回演奏会


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これは既に終了した演奏会です。
日時: 2021年10月31日(日)
会場:
東京芸術劇場コンサートホール

曲目:
ワーグナー
 歌劇「リエンツィ」序曲
ワーグナー
 歌劇「タンホイザー」序曲
ブルックナー
 交響曲第3番

指揮:
   飯守泰次郎

【遅咲きの大作曲家ブルックナー】
 ブルックナーはオーストリアの大作曲家、今年が没後125年にあたります。リンツ近郊の村に生まれ、聖フローリアン修道院で聖歌隊として学び、同修道院の教師、オルガニストを経て、リンツ大聖堂のオルガニストとなります。その後本格的に作曲を行い、ウィーンに出たのが44歳でした。
 ブルックナーは通し番号のないものを含め11の交響曲を書いていますが、それらはいずれも宗教的でオルガンの響きと自然の森を想わせ、独自の世界があります。
【ワーグナーに献呈した交響曲】
 今回演奏する交響曲第3番には「ワーグナー」というニックネームが付いています。ブルックナーはリンツ時代にワーグナー作品を研究してから熱烈なワーグナー信者で、第3交響曲の初稿を持ってバイロイトのワーグナー宅を訪ね献呈を受けてもらったのです。しかしウィーン・フィルに演奏不可能と判断され演奏が見送られ、第2稿の初演も失敗に終わったのでした。
 ブルックナーの交響曲は、複数の稿(本人による書き換え)や版(編集や校訂)が存在することが特徴で、自身のより良くしようという音楽的欲求が反映されているのでしょう。今回演奏する第3稿は初稿から16年後に改訂されたもので、作曲家としての地位が確立し第8交響曲を作曲している時期です。初稿から大きく変更されワーグナーの影響は減りましたが、洗練されてわかりやすい曲となっています。

【パリのワーグナー】
 ワーグナーはドイツの大作曲家、ブルックナーより11歳年上です。ベートーヴェンからのロマン派音楽の流れを交響曲という形で受け継いだブルックナーとは対照的に、ロマンティック・オペラに発展させたのがワーグナーです。20代後半で3年間パリに滞在していた時に「リエンツィ」を作曲しましたが、パリでの上演がかなわずドレスデンで初演しました。その後作曲した「タンホイザー」は、パリ公演の際にバレエの挿入を求められ改訂したにもかかわらず3日で中止となったのでした。
 どうぞお楽しみに!(H.O.)
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